■猫背がダンスの妨げになるワケ
ダンスにおいて「姿勢」はすべての基本です。
特に猫背は、体幹の安定性を損なうだけでなく、重心のコントロールが難しくなる原因となります。
振付を正確に踊るためには、身体の中心を意識しながらバランスを取り続ける必要がありますが、猫背だとそれが難しくなるのです。
また、猫背の状態が続くと呼吸が浅くなります。
ダンスではテンポや振りが激しいほど呼吸の深さが重要になりますが、猫背は胸を圧迫し、肺がしっかり膨らまなくなるため、酸素の取り込み量が減少。
結果として疲れやすくなり、集中力の低下やイライラにもつながるのです。
■スマホと猫背の関係
現代の子どもたちはスマートフォンやタブレットを長時間使う傾向があり、その間は無意識に前かがみになっていることがほとんどです。
この姿勢が長時間続くことで、自然と猫背が定着してしまいます。
踊っていても上半身の動きが小さく、表現が乏しく見えるのは、この猫背の影響かもしれません。
■姿勢を支える「抗重力筋」とは?
私たちは地球上に暮らす以上、常に“重力”に抗って生活しています。
立つ、座る、ジャンプする…あらゆる動作の背後には、姿勢を支える「抗重力筋」という筋肉群の働きがあります。
猫背はこの抗重力筋が弱っているサイン。
筋力や柔軟性が不足していると、ダンス中のキレや姿勢の美しさに大きく差が出てしまいます。
抗重力筋を鍛えるには、立つ・座る・歩くといった基本的な動作を「正しい姿勢」で行うことが大切です。
日常生活の中でも意識して、背筋を伸ばし骨盤を立てる習慣をつけましょう。
■ダンスに必要な「平衡」「リズム」「定位」
ダンス上達に欠かせない3つの能力があります。それが「平衡(バランス)」「リズム」「定位(位置認識)」です。
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平衡(バランス)
振り付けをキレイに見せるには、止まるときの安定感やポージングの美しさが重要。
猫背だと重心が前に傾き、バランスを崩しやすくなります。
ジャンプの着地が不安定になる、ターンでブレるなどの症状が出たら、姿勢から見直してみましょう。 -
リズム
ダンスの「リズム感」は、音楽に乗る力のことではなく、“力を入れる・抜く”動きのメリハリにあります。猫背で体幹が不安定なままだと、動きのスピードに緩急がつかず、全体的に単調な印象に。力の出し入れが上手なダンサーほど、リズム感がよく見えるのです。 -
定位(空間認知)
自分がステージのどこにいるのか、周囲のダンサーとの距離感、どの方向を向いているかなどを把握する力です。
猫背だと視野が下に偏り、空間全体を捉えることが難しくなります。
ダンスでは相手と合わせる・周囲を見る感覚も重要なので、定位能力は上達に直結します。
■自己観察力を高めることで上達も加速
ダンスの技術を高めるうえで欠かせないのが「自己観察力」です。
これは、動きの最中に自分の身体の状態や動きの感覚を感じ取る力。
たとえば「いまのターンはうまくいった!なぜ?」と自分で問い、感覚を振り返る力です。
動画で振りを確認するのも良いですが、最も重要なのは“体で覚えること”。
特にダンス初心者や子どもにとって、動作の直後に「今、どう感じた?」と問いかけてあげることで、感覚の引き出しが増えていきます。
ダンスが上達しないと感じたら、まず「姿勢」を見直してみましょう。
猫背は、ただ見た目が悪いだけでなく、呼吸・筋力・感覚・表現力とあらゆる面でパフォーマンスに悪影響を及ぼします。
正しい姿勢を身につけ、重心のコントロールやリズム感を育てることが、表現力あふれるダンサーへの第一歩です。
そして何より、日々の練習や遊びの中で“自分の感覚”を意識することが上達の鍵。
感じる→考える→また感じる、このサイクルが踊りを磨いていくのです。
4月18日(金)のレッスンは
時間 | クラス | 担当インストラクター |
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18:00~19:00 | ジュニアブレイキン | ISAMU |
19:00~20:30 | ヒップホップ | SARA |
20:30~22:00 | ロックダンス | GO |
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